アニメ『どろろ』と自己(セルフ)の統合 (11/9、11/16プレゼンテーションより)

こんにちは!
TACスタッフの熊谷です。

TAC(東京アレクサンダーセンター)では、スタッフ同士持ち回りで「プレゼンテーション」(学びの発表)を行なっております。

 

今回は、11/9、11/16と2回連続で私、熊谷が担当いたしました。


タイトルは
アニメ『どろろ』と自己(セルフ)の統合 です。

 





1回目は「前編:取り戻すことは、失うこと?」

2回目は「後編:暴走と霊性

というテーマでお話しました。


アニメ『どろろ』は、手塚治虫原作のマンガ、アニメ作品をリメイクしたものです。2019年に半年間放送されました。


ストーリーは、主人公百鬼丸(ひゃっきまる)が、相棒どろろと旅をしながら、出生時に欠損していた身体(11ヶ所)を「鬼神(きしん) 」を倒すことで取り戻して行く、というものです。

 

この作品が放送された2019年は、奇しくも私が受けていた
アレクサンダーテクニークの教師養成トレーニング最後の年(3年生)でした。

 

主人公、百鬼丸「自分の身体を取り戻していく」プロセスは、私がトレーニングを通して「本来の自己(セルフ)を取り戻していく」過程と非常に重なるところがあり、当時、深い共感を持ってこのアニメーションを見ていました。

 


百鬼丸が身体を「取り戻していく」のは、もちろん喜ばしいことではあるのですが、同時に彼にとってそれは「失うこと」でもあったのです。

今までの自己の捉え方(主に感覚)が変わることで、混乱したり、不自由を感じたりする百鬼丸揺らいでいく自己との出会い・・。

 

「自分に戻って行く」って、必ずしもラクになること、快適になることばかりじゃないんですよね。(もちろんラクになることもたくさんありますよ!)



本来の自己に近づいて行くことは、

今までの自分 (の習慣) を手放していくことでもあります。


私もトレーニングの中盤頃は「自分というものの基盤」が揺らぐことによる、混乱や痛み、時には怖さを感じることもありました。(その間、学校の先生方や同僚の皆さんにずっとサポートしてもらっていました。)

 

 

 

発表ではアニメ『どろろ』という作品を通して 

自己(セルフ)の統合における「サイドB」を見ていく という試みを行いました。(サイドB =日が当たっていない部分、という意味ですね)

 

前編は、揺らぐ自己から再統合へのプロセスについて。


そして後編は「暴走と霊性についてお話しました!


もしも本来の自己が取り戻されたとしたら、
その先はどんなことが起こり得るのか・・?

こちらもやはり作品の中では「サイドB」として描かれて行きます。

 


百鬼丸に起こったこと、それは生命力の爆発、暴走でした。

さらに彼は「鬼神 (きしん)」とシンクロし、暴走が加速してしまいます。

 

 

 

なぜ、どんな風に彼が暴走してしまったのか?
それは是非作品をご覧になってみてくださいね。



もちろんこれはフィクションではありますが、
長い間制限された状態で使われてきた人間の機能が、急激に回復(拡大)したとしたら、こういうことはあり得るのではないか?


また、アレクサンダーテクニークというものが「人間丸ごと」を対象とした学びならば、
こういった側面・領域に対してもタブー視せず、オープンな態度でいたい。

そんなことをお話しました。

 


そして最後に「統合のプロセスに必要なもの」は「他者の存在」なのではないか?
ということもお話しました。


百鬼丸が自己を知って行く過程に大きな影響を与えたのは
相棒の「どろろ」という存在でした。
(もう1人大きな存在がいるのですが、それはまたの機会に)

 

 

 

どろろと関わることで彼は自分の外の世界を知り、
また自分に立ちかえり、見つめ直し、取り戻して行きました。

 


アレクサンダーテクニークは「自分の使い方」(Use of the self)の学びなのですが、自分のことって、自分ひとりでは分からない!
学びが深くなるほど、私もそのことを実感しています。


私たちお互いが「どろろ」のような存在同士でいられるのが
理想かもしれませんね。

 

偶然なのですが、前回のブログの安藤先生によるプレゼン「統合のプロセスにおけるサイドB」がテーマでした。
よろしければこちらもご覧になってみてくださいね!


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最後までお読みいただき、ありがとうございました!!