2022年10月26日 プレゼンテーション

みなさん、こんにちは。
TACスタッフです。


アレクサンダーテクニークの学びの場であるTACでは、9月の教師養成クラスに向けて、週3回スタッフが互いに学び合う時間を作っています。
そしてTACでは、スタッフ同士持ち回りで「プレゼン」(学びの発表)をやっております。先日は奥村先生が担当されました。
タイトルは「オフィスチェア オフィスでの快適な作業環境の提供、を考える」。
前半はオフィスチェアの歴史を、後半は会社や学校などファシリティを提供する側と社員や生徒などファシリティを使う側、この両者にアレクサンダーテクニークがどうかかわっていくことができるのか?という問いかけでした。




日本においてイスが普及し始めるのが明治時代ごろから。
明治時代というとかなり昔に感じるけれど、実はまだ150年ほどしかたってないんです。
さらにオフィスチェアに関してみると、その普及は1960年代から。なんといまからほんの50-60年前の話なのだそうです。

昔の上司はよく「鉛筆なめなめ」なんて言葉を使っていましたが、文字通り紙と鉛筆で机の上で物を書くという動作がお仕事の基本姿勢でした。
しかし90年代に入り、オフィスではパソコンが一人一台導入され、オフィス全体が上げ底になり床下に配線を通して、、、とオフィス環境が劇的に変化しました。
その変化に対応してオフィスチェアも机の上に向かって書く動作から正面のモニターを見て作業がしやすくなるように、という視点でオフィスチェアが開発されていったのだそうです。
さらに現在では、人間工学に基づき後ろに寄り掛かるリクライニング機能から、前方に前傾姿勢を作り出すことで猫背を防ぐ前傾姿勢のイスまで開発されているそうです。

 

たしかに以前会社員として働いていた私は、オフィス環境がある日突然劇的に変わる体験を何度かしてきました。
自分の会社の備品が新しいものに一斉に変更されるときもあれば、自分が転職をして違うオフィスに勤務することもありました。
特に転職して新しい職場に移ったときは、新しい会社での新しい業務を覚え遂行することが最優先となり、自分が使っている机やイスのことに気を配った記憶はほとんどありません。一方で腱鞘炎や腰痛で整形外科や整骨院に毎週通っていた記憶は強く残っています。
当時はアレクサンダーテクニークを知らなかったので、腱鞘炎や腰痛になるのが当たり前、と思っていました。でもアレクサンダーテクニークを学んだ今、もし自分が「パソコンを使うときの自分の使い方」「オフィスチェアを使うときの自分の使い方」を知っていたら、もっと違っていたのかな?と思います。

企業側も社員の福利厚生と健康を考え、最新のオフィスチェアを導入するケースもあると思いますが、その最新のオフィスチェアの使い方やそのオフィスチェアを使う自分の使い方を知らないことで、逆に腰痛を引き起こすケースもあることでしょう。アレクサンダーテクニークを学ぶものとしてアレクサンダーテクニークを通じて社会に働きかけていく道を模索するのも大切かもしれないと思いました。