東京アレクサンダーセンターでは、教師養成クラスの授業の一環として、他のワークを学ぶ事で、アレクサンダーテクニークとの違い、共通点を見出し、ATの立ち位置を明確にするために、外から先生をお呼びする体験学習を定期的に行なっています。
今日は赤塚優作先生をお招きして、稲田校長が最近学んでいる『システマ』という武術の体験授業の日でした。
『システマ(Systema)』とは?(ウキペディアより)
ソビエト連邦の独裁者ヨシフ・スターリンのボディーガードから教わったミハイル・リャブコによって創設された。
近代戦における様々な状況を想定した実戦的格闘術として、近年注目を集めている。その歴史的背景と技術的特徴から、一般向けのセミナーでは護身術として整備されたプログラムを用いて指導されている。そのため2017年時点では競技格闘技ではない。
徹底した脱力と柔らかな動作が特徴。その形態からロシアの合気道と呼ばれることがあるが、システマはリャブコ家に家伝として伝わっていたロシアの伝統武術を源流としている。
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今日の体験授業は、ビジターさんを含め合計11人の参加者。
メンバーの中には、前情報を聞いて、「武道だから投げ飛ばされるの?」「殴られるの、怖いよ~」と言っている人も居ましたが、さてさてどんな授業になったのでしょうか?😂
今日教わったワーク全部を書くことはできないですが、私が個人的に印象に残ったものを少し書いてみようと思います。(私の個人的な解釈が入っていて、間違っているかもしれないですが💦)
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一番最初のワーク。呼吸と共に「歩く」。
1歩で吸って1歩で吐く!
次に2歩で吸って2歩で吐く!
ここから10歩まで順番に伸ばしていきます。そして、また歩数を減らして行く!
途中、後ろに歩く、などのバリエーションも入りました。
これは、私の中でなかなかうまく行く時と行かない時がありました。
私は管楽器奏者なので長く息を吐くのは慣れているけど、ゆっくり吸う訓練はやったことがないことに気づきました。
が、うまく行っていない時は、数を数える時に必死になっているのに気づき、全体性を思い出すと良いみたいでした。
これは、積み重ねの練習が必要なワークかも!
次にやったのは、ラッシュの駅のように、真ん中に人が一斉に行き交う設定で
歩く。ぶつからない設定、ぶつかっても良いと思う設定でやりました。
これは、今日の授業の一番最後にもやりましたが、その時と最初の時とのスムーズ差は大きかったです。これもだんだんと全体性をみんながより考えられるようになったから!でしょうね。
次は、「腕を上にあげる」実験。①と②の違いを感じよう!
①ふつうに腕を上にあげる。
②『「腕を上にあげる」と考えた時に起こる身体の反応』に気づき、それに追従する感じで手を上げていく
①と②の違いは実際大きかったです。①は無理やり動かしている感じ。②は自然でやわらかい。
最初、AT色が強い私は、この②の身体に起こる反応をなるべくしないで「インヒビションする!」と捉えたのですが、実は逆でした。😓
「脳からの指令で、未来に起こるであろうと予測する身体の反応に気づいて、それに付いて行こう!」と言うことだそうです。
(たぶん、身体の反応に気づいた時点で、我々はインヒビションをしていると言う事ですね。)
それを、システマでは「フィード フォアワード feed forword」と呼ぶそうです。
(フィードバックの逆?)
ここからは、フィード フォアワードを使っていろんな実験をしました。
●2人組で「腕をつかまれた時に、うまくそれを交わす」を実験。
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けっこうな力で握っていても、あら不思議、なぜかうまく逃げられてしまうのです。
そして、フィード フォアワードは、「心配や恐怖」を感じる際にも起こっているそうです。その場合は、「それをいかに自分の中に貯めないようにするか?」がポイントになるようです。
●「相手が自分の方にぶつかるように歩いてきても、それに反応せずスっと避ける」実験
↓
人が自分の方に向かって来るときは、1歩向かって来ただけでも、すでに自分の中にストレス、不安みたいなものが起こり始めるので、それに気づいて、いかにそれを自分に貯めないで動きに代えて行くか、が大事だそう。
最後に、2人組になり、1人が相手の腕から徐々に行きたそうなところに動かして、まるでコンテンポラリーダンスのような風変わりなストレッチをしました。
ストレッチって、確かに無理やりやるものではなく、動かしたい部分を自由に動かすのが一番良いのかも?そう考えたのは初めてでしたね。
あっと言う間の3時間半。いろんな体験ができました。
皆さん楽しんでいたようです。
私個人の感想としては、システマはATととても近いところにあり、ロシアにも古武術の様なものがあったのが面白いです。これが戦争に使われるとは何とも複雑な気持ちがしますが。💦
システマとATは、一見インヒビションの捉え方が逆だと思ったのですが、いや、実は一緒なのかも?と言う事が一番新鮮でした。
「インヒビションとはなんぞや?」について最近考える事が多いので、また新しい気づきがあっておもしろかったですね。
ATのインヒビションについては、もう少しシステマの様にポジティブな方向にあるべきではないか?と思ったりしました。これは、我々の今後の課題になりそうです。
システマ体験授業、確かに1回ではわからない、できなかった事もいっぱいあったと思いますが、今日は充実した授業でお腹がいっぱいになりました😊
赤塚先生、ありがとうございました。
ブログ担当 棚橋